剣と日輪
「論争ジャーナル」
 は息を吹き返したが、田中はそれを笠に着て、ある財界の会合で、
「論争ジャーナルと楯の会は、私が陰で支えているのだ」
 とパトロン紛いの発言をしていた事実が、この会合に顔を連ねていた公威の知人から耳に入り、
「楯の会」
 独立独歩の屋台骨である公威の逆鱗(げきりん)に触れたのだった。
 公威は楯の会隊長として中辻、萬代両隊員を呼び出し、
「直ちに財界人からの援助を断て。お前等は楯の会の名誉に泥を塗っているのが分からんのか」
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