剣と日輪
 公威は否定はしない。
「だから、人質を第三十二普通科連隊長に変えたい。連隊長室はヘリポートの直ぐ近くだ」
「成る程お」
 必勝が賛成した。
「それで決定ですね」
「君達も賛同するか?」
「その方がいいと思います」
 小川は異議なしだった。
「でも、それでは先生の折角の舞台が、小さくなってしまいますねえ」
 小賀はそう惜しんだ。
「総監だろうが連隊長だろうが、決起の重みに関係なし。これは我々四名全員の一世一代の大舞台だ。そうだろう?」
「分かりました。つまらんことを言ってしまいました」
 小賀も同意してくれた。
「よし。では武器は日本刀とする。これは私が購入しよう」
「お願いします」
 三名は一斉に点頭した。
「よおし、やるぞお」
 必勝が叫んだ。
「あの」
 小賀がひっそりと挙手している。
「何だ小賀」
 必勝が、
「未だ文句あるのか?」
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