剣と日輪
「そうか。まあ喉が渇いたら、勝手に御茶を入れて飲みなさい」
「ええ」
 間も無く表でタクシーの停車音がし、着物姿の倭文重が帰宅した。倭文重は御茶を一のみすると、公威に話しかけた。
「今日は早いわね。仕事は終ったの?」
「今日は疲れた。もう寝ます」
「それがいいわ。疲れた時に文章を書いたっていいものできないわ。早く寝なさい」
「そうするよ」
 公威は立った。
「御父さん、御母さん、お休みなさい」
「お休みなさい」
「公威」 
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