AVENTURE -君の名前を教えて-
「(王子であり、主ではありますが…今の言葉は聞き捨てなりません)」

チカがアヤを叩き、思わず息を飲んだ。

「(…すまない。だが、何と言おうと、俺は戻らない)」

ぐいっとアヤに抱き寄せられて、思わず目が丸くなる。

「俺は、こいつのことが好きなんだ」

「知っております」

「なら!」

「だからこそ、きちんと戻って説得なさいませ。今のあなたのされていることは、子供が駄々をこねているのと同じですよ」

チカの言葉に、思わずぽかんとなった。

「チカ!ようやくわかって」

嬉しそうにアヤがチカの方へ行こうとする。

「言っておきますが、私もカトレア様と同じく、この小娘のことは認めません。まだ、シエラ様の方がふさわしいと思っておりますので」

その言葉に、アヤの動きが止まった。




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