AVENTURE -君の名前を教えて-
「俺は、現国王の後妻の息子だからな。だから、カトレア様は何がなんでも、本当は兄さんを後継者にしたかったんだ」

アヤの言葉に、さらにまた驚いた。

「え!?二人のお母さんって、違う人なの!?」

「そうなのよ。ってそんなことより!」

トランが言う。

「二人とも、一緒になりたいんだったら、なんとか説得する方法を考えなくちゃ!」

トランに言われて、うーん、と唸った。

「でも、正直言うと、カトレアさんの気持ちも、わからないでもないんですよ」

私が呟くと、トランは首を傾げた。

「だって、アヤは王子様でしょ?で、私はなんのとりえもないただのその辺に居るような女で…そりゃ、それが結婚して、王族に入るなんてことになったら、嫌がるに決まってる」

そう言うと、アヤははぁ、と特大のため息をついた。

「でもそれは、カトレア様の言い分だろう?そもそも、俺が結婚するのであって、カトレア様が結婚するわけじゃない」

「や、そうだけど」

「王族だろうが一般人だろうが関係ない。俺は一生を添い遂げる相手は、自分の惚れた女じゃないと嫌だ」

アヤの言葉に、思わず顔がかぁっと赤くなった。




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