AVENTURE -君の名前を教えて-
「それじゃあ次、行ってみよー!」

その後、ネイル、フットケア、ヘアサロンと周り、ほぼフルコースともいえる、夢のような一時を過ごした。

街の少し外れにあるカフェで二人で一緒にお茶をしていると、何人かの男の人から声をかけららた。
もちろん、私には簡単な単語をいくつかしか理解できなかったけど、それがナンパだってことはなんとなくわかった。

正直、今までナンパなんてされたことはなかったし、きっと日本人が珍しいんだろうなぁと、チャイをすすりながら思っていた。

「本当に、見違えるくらいいい女になったわね」

トランが嬉しそうに言う。
思わず私は、むせかえる。

「き、急になに!?」

焦る私を見て、楽しげにトランは笑った。

「私プロデュースのエステコース、どうだった?」

聞かれて、目を輝かせながら答える。

「魔法にかかったみたいな気分!すっごい幸せでした!」

その答えに、トランは嬉しそうに微笑んだ。




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