AVENTURE -君の名前を教えて-
「どうしたらいいのか、もう、どうにもわからなくなり、俺は、そのことを、カトレア様に相談した。シエラを選んだのはカトレア様だったから。それに、カトレア様ならきっと、力になってくださると、そう、思ったから」
ふぅ、と息を吐くトラン。
会場は静まり返ったまま、トランの言葉を待った。
「だけど。相談した次の日だった。カトレア様に呼び出され、お前はもう、王族ではなくなった。これからは自分の好きなことをすればいい。そう、言われた」
苦笑い混じりに続ける。
「驚いたよ。一瞬、何を言っているのか、意味がわからなかったから。でも、次の瞬間、すべてを悟った。あぁ、そういうことなのかって」
トランの目から、涙がこぼれた。
「王族の人間に、ゲイがいたのでは体裁が悪い。そう思ったカトレア様は、俺を切り捨てることにしたんだ」
一瞬、会場内がざわつく。
「幸い、俺はまだ、人前に顔を出してはいなかった。必要以上に子供が有名になってしまうことを避けるために、母が、取材に応じる条件として、たとえ公務についてきたとしても、写真を一切公開しないようすること、としてくれていたから」
ふぅ、と息を吐くトラン。
会場は静まり返ったまま、トランの言葉を待った。
「だけど。相談した次の日だった。カトレア様に呼び出され、お前はもう、王族ではなくなった。これからは自分の好きなことをすればいい。そう、言われた」
苦笑い混じりに続ける。
「驚いたよ。一瞬、何を言っているのか、意味がわからなかったから。でも、次の瞬間、すべてを悟った。あぁ、そういうことなのかって」
トランの目から、涙がこぼれた。
「王族の人間に、ゲイがいたのでは体裁が悪い。そう思ったカトレア様は、俺を切り捨てることにしたんだ」
一瞬、会場内がざわつく。
「幸い、俺はまだ、人前に顔を出してはいなかった。必要以上に子供が有名になってしまうことを避けるために、母が、取材に応じる条件として、たとえ公務についてきたとしても、写真を一切公開しないようすること、としてくれていたから」