AVENTURE -君の名前を教えて-
「本当に、すまなかった。君と婚約していたあの5年間。一緒に過ごしたあの5年間は、本当に、幼いながらも楽しいと思っていたし、君となら一緒になってもいいと思っていたんだ。だけど、俺はこんな人間だ。一緒になれば、きっと、君を傷つけるだろう。それだけはどうしても避けたかった。結婚してしまえば取り返しがつかなくなる。そう思ったんだ」
「頭を上げて、トラン」
シエラがトランの肩をぽん、と叩いた。
「シエラ…」
トランが顔を上げると同時に、パシン、と乾いた音があたりに鳴り響いた。
「どうして今まで、本当のことを黙っていたの!?」
トランは呆然とした表情で、シエラを見つめる。
「あの5年間の思い出すべて、あなたに否定されたのだと思ったわ!」
涙を流し、トランの叩く。
「ただ王位につきたくない。それだけの理由で、あなたは私と過ごした5年間を踏みにじり、そして、私を捨て、置いて行った。あれからずっと、そう思ってた!」
嗚咽交じりにシエラは叫んだ。
「信じていたのに!たとえ、王位につきたくないとしても、私のことを捨てるなんて、そんなことはないと信じていたのに!あなたは姿を消した後、それっきり、私の前に現れることはなかった!」
「頭を上げて、トラン」
シエラがトランの肩をぽん、と叩いた。
「シエラ…」
トランが顔を上げると同時に、パシン、と乾いた音があたりに鳴り響いた。
「どうして今まで、本当のことを黙っていたの!?」
トランは呆然とした表情で、シエラを見つめる。
「あの5年間の思い出すべて、あなたに否定されたのだと思ったわ!」
涙を流し、トランの叩く。
「ただ王位につきたくない。それだけの理由で、あなたは私と過ごした5年間を踏みにじり、そして、私を捨て、置いて行った。あれからずっと、そう思ってた!」
嗚咽交じりにシエラは叫んだ。
「信じていたのに!たとえ、王位につきたくないとしても、私のことを捨てるなんて、そんなことはないと信じていたのに!あなたは姿を消した後、それっきり、私の前に現れることはなかった!」