AVENTURE -君の名前を教えて-
「どれだけ苦しんだと思う?愛していたあなたに捨てられて、あの5年間を、楽しいと、うれしいと、幸せだと感じていたのは私だけだったんだと、そう、思って過ごしてきたこれまでの私の生活は、どれだけ惨めで、つらいものだったと思う!?」

「…シエラ、本当にすまない」

「どんな理由であったとしても、本当のことを教えてほしかった!だって、私はあなたのことを愛しているんだから!」

泣きじゃくるシエラを、トランは優しく抱きしめた。

「本当に、すまなかった」

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