AVENTURE -君の名前を教えて-
「相手を労わり、想い、敬い、お互いに支えあって生きたいと思うその思いのどこが恥ずかしいのか、言ってみてよ!」

あたりは静まり返ったまま、何も言わない。

「そう思った相手が男だろうが女だろうが、関係ないと私は思うけどね!」

そう言って、私はカトレアとトランたちの間に仁王立ちした。

「そんなに、世間体って大事ですか?あの2人に、深い傷をつけて、この何年間か苦しめてきて、今度はアヤまで巻き込んで。そんなにしてまで、守らないといけないものなんですか!?」

「お黙りなさい!」

カトレアが叫んだ。

「あなたのような一般庶民に何がわかるというのですか!代々続いてきた、この一族を、王家を守ることが、どれほど大変か、わかっているのですか!?」

「わかりません!」

私の言葉に、カトレアは目を見開いた。

「ならば」

「わからないけど!でも!いつの時代だって、人を傷つけて手に入れたものは、永くは続かないじゃない!」

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