AVENTURE -君の名前を教えて-
私がそう言ったときだった。

「…まさか、お前がそんな正論を言うとは思わなかったぞ」

不意に、入り口のほうから声がした。
驚いてそっちを見ると、そこにはチカが立っていた。

「まぁ、お前がそう言ってとめたとしても、アヤはとめられないだろうからな」

そう言うと、ウイッグと化粧道具をベッドの上に置いた。

「多少、変装すれば、わからないだろう。数回見た程度の人間を欺くことくらい、たやすい」

そう言うと、チカはアヤの支度を始めた。

「お前も支度をして来い」

思わず、どうやってアヤを変装させるのかを見てみたくて、その場でじっと立っていると、チカにものすごく嫌そうな顔をしながら、ぴしゃりと言われた。

「…はーい」

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