AVENTURE -君の名前を教えて-
「…そろそろ行かなきゃ」

不意に、壁にかけてある時計を見て、私は口を開いた。

「もう…そんな時間か」

アヤの言葉に、私は笑った。

「この一週間、本当にありがとう。いろいろひどいことも言ったりして、本当にごめんね。でも、すっごい楽しかった」

言うと、アヤは私の肩を抱いた。

「本当は、お前をこのまま帰したくない」

肩を抱く手に力がこもる。

「だが、そうしてしまうと、お前が困るからな」

そういって、手の力を緩めた。

「…行こう。送る」

アヤは立ち上がると、すっと手を差し伸べてきた。
その手をとって、私も立ち上がると、アヤはぎゅっと私を抱きしめてきた。

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