AVENTURE -君の名前を教えて-
「元気で」

セキュリティチェックを受ければ、もう、アヤには会えなくなる。
そう思うと、足が自然と重くなる。

「うん」

無理に笑おうとするが、うまく笑えなくて、どうしても、表情がぎこちなくなる。

「あ、いた!よかった、間に合った!」

不意に声がした。
振り返ると、そこにはトランとシエラ、それに、チカとセバスチャンの姿があった。

「トラン!?それに…シエラも!?」

駆け寄ってくるシエラが、私に抱きついた。

「間に合ってよかった…!私、あなたにずっと、謝らなきゃって思ってたのよ」

「え?」

首を傾げる私をみて、シエラは目を丸くした。

「なんでそんな顔になるの?だって私、あなたにひどいことをたくさん言ったわ」

驚いたように言うシエラに、私は首を傾げた。

「シエラ様、たぶん、その認識が、彼女にはあまりないようです」

セバスチャンの言葉に、シエラはまた、驚いた。

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