AVENTURE -君の名前を教えて-
飛行機が離陸し、この数日間を過ごした国を飛び立った。


なんだかあっという間だったな。


いろんなことがあって、本当にあっという間だった。
でも、いろんな人たちに出会えて、本当に幸せだった。

そっと、耳につけているピアスを触る。
そこには確かに、冷たい、金属の感触があった。


夢見たいな、でも、現実の出来事。
これが、その証拠。


そっと、目を閉じる。


『ほたる』


アヤの呼ぶ声が聞こえた気がした。
と、不意にそのとき、思い出した。


あ…!!
また…


思い出したと同時に、おかしくて笑った。


名前も連絡先も、何も教えてないや。
これじゃ、連絡なんて取れないじゃん。


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