AVENTURE -君の名前を教えて-
「ねー、話終わったー?」

パタパタと見た事のある顔が、私達の方へと走ってきた。


え…?
あれって確か、ミスキャンパスの…


少しだけつりあがった形の綺麗な眉に大きな目。綺麗に整った顔に、ミニスカートからすらりと伸びる綺麗な足。

うちの大学生なら誰もが知っている、ミスキャンパスの女の子。
最近ではテレビにも出るようになって、結構有名人で、私でも知ってくるらい。


でも、何でそんな子が?


突然の出来事に目を白黒させていると、ミスキャンはするりとアイツの腕に自分の腕を絡めた。

「え…?」

その行為に動揺する私は、思わず手に持っていた携帯をカシャンと床に落としてしまった。

「あっ」

慌てて拾うと、アイツが少しだけ、頬を赤らめながら彼女に何かを言っているのが見えた。



あぁ、そういうこと、か。


なんとなく状況が飲み込めた。
信じらんない。
最悪の状況。


拾い上げた携帯をぎゅっと握り締めた。


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