AVENTURE -君の名前を教えて-
「シャンプーの場所とかわかるか?」

不意にドアが開き、カーテン越しに声をかけられて、慌てて立ち上がる。

「大丈夫、ありがとう」

小さな声で答える。
泣いていたことがばれない様、深呼吸をして気持ちを落ち着ける。

「それじゃごゆっくり」

「うん、ごめんね」

できるだけ平静を装って返事をした。



落ち込んでなんていちゃダメ。


泣いてなんかいちゃダメ。


ちゃんと笑わなくちゃ。




アヤに心配かけちゃう。



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