AVENTURE -君の名前を教えて-

「…あれ?」

バスタオルで濡れた髪をわしゃわしゃとふいていると、自分が脱いだ服たちがいなくなっているのに気づいた。


え?あれ?…いや、え?なんで?どこいった?

慌てて体にバスタオルを巻きつけてバスタブから出ると、服を置いてあったはずの場所をもう一度よく見てみる。

「ない…なんで?」

服がひとりで歩いてどこかへいくことはまずありえない。
が、下に落ちてしまっているというわけでもなく、本当にバスルームから消えてなくなってしまっている。

「どうしよう…」


自分の家でもなければ泊まっているホテルでもない。
着替えがなければ私はここから外に出ることができない。

「こ…困った」

そう呟いたときだった。




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