QUARTET
やべ…地雷踏んだか?
「なんだよ、なんかあったの?」
いつもうるさい美樹が静かになってしまった。
その空気に耐えきれなくなって、仕方なく声をかける。
美樹の目は見る見るうちに水を溜めた。
それが零れてしまいそうになる前に、俺は立ちあがった。
「ったく。しょーがねーな。行くぞ。」
男はみんな女の涙に弱い。
泣きまねなんかにも騙される奴もいる。
俺は基本的には泣きたい奴は泣かせとけばいいと思うんだが、
今の状況じゃ俺が泣かせたようなもんだし、さすがに気まずい。
美樹の机に行って美樹のカバンを取る。
そのまま教室を出ると、ポカンとしてすっかり泣くのを忘れた美樹が、不思議そうな顔をしつつも後をついてきた。
「どこ行くの?」
「あ?考えてねえよ。
教室で泣かれても困んじゃん。
まだ人いたし。とりあえず出た方がいいなって思って。」
「…ありがと。」
美樹が俺に声をかけるのはたいてい、凛子とのことを茶化す時か悪態をつくときだ。
間違ってもありがとうなんて言われた記憶がない。
でも多分、それくらいに弱っているんだろう。
「なんだよ、なんかあったの?」
いつもうるさい美樹が静かになってしまった。
その空気に耐えきれなくなって、仕方なく声をかける。
美樹の目は見る見るうちに水を溜めた。
それが零れてしまいそうになる前に、俺は立ちあがった。
「ったく。しょーがねーな。行くぞ。」
男はみんな女の涙に弱い。
泣きまねなんかにも騙される奴もいる。
俺は基本的には泣きたい奴は泣かせとけばいいと思うんだが、
今の状況じゃ俺が泣かせたようなもんだし、さすがに気まずい。
美樹の机に行って美樹のカバンを取る。
そのまま教室を出ると、ポカンとしてすっかり泣くのを忘れた美樹が、不思議そうな顔をしつつも後をついてきた。
「どこ行くの?」
「あ?考えてねえよ。
教室で泣かれても困んじゃん。
まだ人いたし。とりあえず出た方がいいなって思って。」
「…ありがと。」
美樹が俺に声をかけるのはたいてい、凛子とのことを茶化す時か悪態をつくときだ。
間違ってもありがとうなんて言われた記憶がない。
でも多分、それくらいに弱っているんだろう。