QUARTET
相手は美樹とはいえ、一応女だ。
弱った状態で一人にしておくのは気が引ける。
いつもより速足で歩くと、14分で駅前についた。
「いらっしゃいませ。」
丁寧に頭を下げる店員の横を素通りして美樹を探すと、
店の1番奥のテーブルのソファーに制服のまま座っていた。
携帯を閉じたり開いたりしている。
「おい。」
近付いても気づかないから声をかけると、
美樹は情けない顔で笑った。
「どうしたんだよ。」
美樹は何も言わない。
とりあえず向かいに座り、美樹と目線を合わせようとしたが、
美樹は真っ赤な目で斜め下の何もないところを見つめていた。
「おい。言わなきゃ帰るぞ。」
言うまで待つ、なんていう優しさは俺には存在しない。
慌てた美樹はようやく俺の方を向き、ぽつりぽつりと話しはじめた。
「つぅくんがね…。
多分私のこと、好きじゃないっぽい。」
弱った状態で一人にしておくのは気が引ける。
いつもより速足で歩くと、14分で駅前についた。
「いらっしゃいませ。」
丁寧に頭を下げる店員の横を素通りして美樹を探すと、
店の1番奥のテーブルのソファーに制服のまま座っていた。
携帯を閉じたり開いたりしている。
「おい。」
近付いても気づかないから声をかけると、
美樹は情けない顔で笑った。
「どうしたんだよ。」
美樹は何も言わない。
とりあえず向かいに座り、美樹と目線を合わせようとしたが、
美樹は真っ赤な目で斜め下の何もないところを見つめていた。
「おい。言わなきゃ帰るぞ。」
言うまで待つ、なんていう優しさは俺には存在しない。
慌てた美樹はようやく俺の方を向き、ぽつりぽつりと話しはじめた。
「つぅくんがね…。
多分私のこと、好きじゃないっぽい。」