幸せが欲しい

「ここなら大丈夫だろう」

連れて行かれたのは誰もいない踊り場だった。

「はい、これ」

そして先生が手渡したのは

「あ、これは」

それは臨海学校の時に撮った先生とのツーショット写真だった。

「もしさ、何かさ」

先生は喋りだす。

「辛い事とかあったらその写真見なよ。俺、笑える顔してるから」

確かに先生の顔は何度見ても笑える。

「ありがとう、先生」


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