君は天使-短編集-






ずっと貴女と一緒。


そんな日々が続くと思っていた。






貴女と出会って、5年経ったある日のこと。


貴女は家を出た。


僕を残して。


大学に通うから。


大学のそばに引っ越すって。


仕方ないとわかってはいたけれど、寂しくないわけなかった。


それから、僕と貴女の会う回数は減った。


やがてほとんど貴女は僕に会いに来なくなった。


どうしてですか?


僕を嫌いになったのですか?


僕を忘れてしまったのですか?






つらい。


貴女に会えないのがつらい。


透明な矢が僕を貫いたようでした。




< 15 / 53 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop