君は天使-短編集-
ずっと貴女と一緒。
そんな日々が続くと思っていた。
貴女と出会って、5年経ったある日のこと。
貴女は家を出た。
僕を残して。
大学に通うから。
大学のそばに引っ越すって。
仕方ないとわかってはいたけれど、寂しくないわけなかった。
それから、僕と貴女の会う回数は減った。
やがてほとんど貴女は僕に会いに来なくなった。
どうしてですか?
僕を嫌いになったのですか?
僕を忘れてしまったのですか?
つらい。
貴女に会えないのがつらい。
透明な矢が僕を貫いたようでした。