君は天使-短編集-
一体何が起こっているんだ。
俺の目の前のこの女は、
一体何者なんだ。
「自分だけが特別だとか思ってた?」
そう言って女は笑った。
こいつは、そう。
隣のクラスの桐山。
「あはは!面白い顔だなぁ!」
桐山が笑うと、耳の下で2つに束ねた長い黒髪がサラサラと揺れた。
「なんで…」
「さっきも言ったじゃない、自分だけが特別だとか思ってた?…って。」
桐山は笑いを堪えながら俺を見つめた。
黒い大きな瞳がまっすぐに俺を捉えていた。