君は天使-短編集-




一体何が起こっているんだ。



俺の目の前のこの女は、
一体何者なんだ。


「自分だけが特別だとか思ってた?」


そう言って女は笑った。


こいつは、そう。
隣のクラスの桐山。


「あはは!面白い顔だなぁ!」


桐山が笑うと、耳の下で2つに束ねた長い黒髪がサラサラと揺れた。


「なんで…」


「さっきも言ったじゃない、自分だけが特別だとか思ってた?…って。」


桐山は笑いを堪えながら俺を見つめた。


黒い大きな瞳がまっすぐに俺を捉えていた。






< 28 / 53 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop