君は天使-短編集-




一体何が起こっているのか。


ここで一旦考えてみよう。





俺、藤 洋太は普通の人間ではない。


いきなりこんなこと言うのもおかしいが、とにかく普通じゃないのだ。


これは今から5分前の話。



場所は学校の教室。


放課後の掃除の時間。


そこではなぜかバスケが行われていた。


机を全て教室の隅に追いやり、同じクラスの奴等がバスケをしていたのだ。


こんな狭い教室で球技をしようなんて、一体何考えてるんだ、こいつらは。


と、そんなことを思っていた。


早く帰りたかったので、俺は黙々と掃除を続けた。


「おい、藤ィ!お前も混ざれよ!」


バスケ組の一人がからんできた。


「やらないよ、俺はさっさと帰りたいんだ。」




< 29 / 53 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop