君は天使-短編集-




そんなやりとりをしたのを覚えている。


そして俺に誘いを断られたそいつはまたバスケに戻っていったのだった。


ところがだ。


何を血迷ったのか、そいつはとんでもないことをしたのだ。




とりあえず教室を掃き終わり、塵取りを取りに行こうとした時だった。


「藤!お前もホントはやりたいんだろ!?」


「え?…だから俺は……」


「よしきた!!藤、パース!!!」





…………え…





パス?


しかもこんな至近距離の相手にするパスじゃないような、もうドッジボールで当てにきてますみたいな…


それくらいの強力なパスを送ってきた。


な、何を考えているんだこいつは…


バカなのか?






ボールはもう目前まで来ていた。


やばい、避けられない。




そして俺は使ってしまったのだ。




あの力を……




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