君は天使-短編集-




私はかわいそうな人間です。


私は不幸な人間です。






私は空を見た。


小さな窓から空を見た。


空はいつも違うカオをする。





その日、雪が降った。


私は夜を待ち、こっそり部屋を抜け出して外に出てみた。






寒くて、でも雪を見ていたくて、触りたくて。


冷たい風が吹くから、私は赤いチェックの膝掛けを握りしめた。


そろそろ戻らなきゃ。


そう思った時、
私はあなたと出会った。






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