君は天使-短編集-




紺色のマフラーを巻いて、
あなたはそこにいた。


それからだ。


私の人生が大きく脈打ち出したのは。






あなたは私に色をくれる。


私の世界に色を塗る。






動き出す。


鮮やかでカラフルな私の世界。


その背景には夢が見えた。






あなたは私に初めてをたくさんくれた。


誰かをこんな風に好きと思ったことも、


それを声に出せない気持ちも、


嫌われたくないっていう思いも、


みんな初めて。






そして、


私はあなたに

「好き」

と言った。






きっとそれは、
私の一生に一度で…


最初で最後の勇気。






< 50 / 53 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop