君は天使-短編集-
紺色のマフラーを巻いて、
あなたはそこにいた。
それからだ。
私の人生が大きく脈打ち出したのは。
あなたは私に色をくれる。
私の世界に色を塗る。
動き出す。
鮮やかでカラフルな私の世界。
その背景には夢が見えた。
あなたは私に初めてをたくさんくれた。
誰かをこんな風に好きと思ったことも、
それを声に出せない気持ちも、
嫌われたくないっていう思いも、
みんな初めて。
そして、
私はあなたに
「好き」
と言った。
きっとそれは、
私の一生に一度で…
最初で最後の勇気。