君は天使-短編集-
「これからも、一緒にいてくれる?」
私のその言葉に、黙って頷いたあなたの顔を私は忘れない。
あなたは立ち上がって白いカーテンを開けた。
光が射す。
白くて
明るくて
やわらかくて
それは私を欲張りにした。
外に出たい
歩きたい
思わず口から出そうになって、閉じ込める。
あなたを困らせてしまうから。
言葉を飲み込み、
「ついでに花瓶の水取り換えてよ。」
そう言うとあなたは、
「人使い荒いな、お前は。」
とか言いながらも水を換えに行く。