君は天使-短編集-
白い四角い建物の6階
一番左の部屋
その小さな窓から
君は空を見ていた
僕は
そんな君をずっと見ていた
顔ははっきり見えない
でもきっと
綺麗な目をしてるんだろう
表情も分からない
灰色の空を見て
君は何を思っているんだろう
それからの僕は
何かが解けたみたいだった
毎日君を見に行った
白い建物を見上げて
君の姿を探した
何て名前なんだろう
歳は僕と近いのかな
どんな声をしてるんだろう
君の姿を見る度に
君のことが欲しくなって
こんなにも
何かに興味を持ったのは
生まれて初めてだった
僕に
"好き"をくれたのは君でした