ツインズ~あなたと出会って~

『もうええわ!!わかった。俺出て行くから!!』

荷物をまとめようとしているイチヤの足に私はしがみついた。

『何やねん?離せや!!』

『いやや、いやや、離さへん!!』

しがみついている上から顔面をボコボコ殴られた。
興奮していたからか、痛みなど全く感じない。

壁は穴があき、ポットのお湯が床一面に広がり、キッチンも部屋もめちゃくちゃだった。
私のパジャマは無残にも破けてボタン1つない。
何度も何度もお腹を踏まれ蹴られた。

『何でわかってくれへんの?(泣)』

イチヤが突然泣き出した。

『・・・』

『何で俺らこんなんなってしもたんやろ?』

『・・・』

『お前、家帰ってきてもめっちゃ暗いし、話せんし、飯食わへんし・・・。そんな家に帰って来たいと思うか?思わへんやろ?お前は、一緒にいたら俺をどんどん追い込む。(泣)』

『・・・ごめん(泣)』

『・・・(泣)』

『ごめんなさい。ごめんなさい。(泣)』

2人で大泣きした。
< 41 / 85 >

この作品をシェア

pagetop