狼クン達のオリの中【完】
クラス中が見守る中、綾瀬涼は綺麗な口を開いた。


「副委員をお願いします。
木下蘭さん・・・」



え?



蘭ちゃん?



クラス中の視線が、蘭ちゃんに注がれる。


突然のことにびっくりしながらも、はいとうなずく蘭ちゃんの背中を見つめ、あたしの心は揺れた。



『気に入った』

昨日の、綾瀬涼の言葉が胸を揺さぶる。


もしかしたら選ばれるかも・・・って思ったから・・・。



でも、綾瀬涼の瞳は、蘭ちゃんに向けられていた。



もしかしたら。

さっきも、あたしじゃなくて、隣にいた蘭ちゃんを見ていたの?



学校で初めて目が合った。

そう思ったのは、あたしの勘違いだった・・・・の?


早くなる心臓を感じ、あたしは両手を握り締めた。


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