狼クン達のオリの中【完】
期待
「ゲ・・・ゲホッ・・・」
ぼんやりする視線の先に、超イケメン男が見える。
誰だろ?
黒髪の先からも、顔からも、制服からも、水がしたたり落ち、精悍な顔に色気を醸しだしている。
イケメンって、水に濡れると際立つな~。
そんなトンチンカンなことを思いつつ、考える。
あたし、今何してるの?
体が寒い。
あたしも濡れてる?
何で・・・。
「あー!」
叫んで、思い出す。
「君、溺れかけたわりに元気だね?」
目の前のイケメンにピントが合う。