狼クン達のオリの中【完】
ワナワナ震えるあたしに、薫は頬を膨らませて言う。


「涼兄が一晩中付き添ってたって言うから、期待して見に来たのに」


「はぁ?」


「ホントに、ただの病人じゃん?」




薫くん?

ただの病人って、何当たり前のこと言ってるの?



「あーあ。
これが、お姉ちゃんなりの誘惑の仕方かと思ったのに」



「はぁ?」



「はぁ?・・・って。
100円受け取ったでしょ?」



「100円・・・って・・」




そういえば!!


『ねぇ。
涼兄を誘惑してよ♪』


『頼んだからね~♪』


薫は、そう言ってた。




まさか、あんた!!

本気で頼んだつもり?

100円で?

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