狼クン達のオリの中【完】
そして、部屋を出ていこうとして、綾瀬涼の書いた天使の絵の前で立ち止まる。


「あれ?
この絵・・・」


「何?」


「別に」


薫はそっけなく言ったあと、付け加える。



「さすが涼兄だな・・・と思って」


そしてドアまで歩き、ちょっと立ち止まった後、振り返った。



「ねぇ・・・。
何で風邪・・・ひいたの?」


薫のトーンがちょっと下がる。



不思議に思いつつも。


「プールに落ちたの」


あたしは横を向きながら答えた。



瞬間。


鈴奈の顔がちらついて、唇をかみ締める。
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