狼クン達のオリの中【完】
「ふーん。
間抜けすぎて笑えるね」


「うるさいなー」


薫の言葉にムッとして、睨みつける。



でも、言葉とは裏腹に薫はニヤリとも笑っていなくて、ただ、あたしを見つめていた。



薫の大きな瞳は、あたしを通り越して、何か違うものを見ているようだった。



「な・・・何?」



沈黙に耐えられなくなって、あたしが言うと、薫はいつものようにニコッと笑った。



「お姉ちゃんのドジッぷりって、やっぱりいいね♪」




違うーーーーー!!


あたしのせいじゃない!!


みんな、鈴奈のせいなんだから!!!


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