狼クン達のオリの中【完】
告白
こんな日でもテニスの練習って・・・。
西園寺家からの帰り道。
お腹を押さえてうずくまる。
藤本さん達にボールを当てられた場所がズキズキ痛む。
何もなかったふりをして、いつも通り練習した自分がうらめしい・・・。
手を抜けばよかった~!!!
いまさら後悔しても遅く。
丘の上の綾瀬家を目指して、よろよろ進む。
「なんでこんな丘の上に家なんか・・・」
下を向いて前傾姿勢で歩き、いつもと同じ愚痴を繰り返し呟いていると。
「だって、見晴らしがいい方がいいだろ?」
頭の上から涼しい声が降ってくる。