狼クン達のオリの中【完】
「何で?
ボクのものが盗りたいから?
これで同等とか言っちゃうつもり?」



「薫っ!!」




「バッカみたい。
こんなのゲームなのにさ」




横を向いた薫の頬を、綾瀬涼が叩いた。





「何すんだよ」



ゾクっとするほどの怒りの表情を浮かべて。



痛いほど傷ついた瞳で。



薫が綾瀬涼を睨みつける。




「涼兄にはわかんないよ!!」



吐き捨てた薫に。







綾瀬涼が静かに言った。




「オレに彼女を奪わせようとするなよ。
もっと自分の気持ちを大切にしろよ」


< 358 / 491 >

この作品をシェア

pagetop