狼クン達のオリの中【完】
「頭よくて、スポーツできて、顔だってスタイルだってよくて、ちょっとクールな奴がいいんだろ?」



「へ?」





空を見上げたまま。



水の音にかき消されないように、綾瀬涼の声も大きくなる。





「でも、おまえの前では違った顔を見せて。
ちょっと強引で、オレ様で、いっぱいキスしてくれる人がいいって言ってたよな?」




「え?」




「オレには無理だって。
無邪気な顔して、切り捨てたよな?」




「あ・・の?」



「おまえ、ホントに覚えてないわけ?」



綾瀬涼が唇を歪ませて、くやしそうな顔をする。


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