狼クン達のオリの中【完】
「このオレが、ずっとずっと好きだったっていうのに?」





「え?」





「このオレが、約束守って、勉強も、スポーツも頑張ってきたっていうのに?」




「え?」




「約束守ったら。
約束全部守ったら、虹の下でキスしてくれるって言ったよな?
な?
ゆう?」




「え?
ゆう・・・って。
あたしのあだ名・・・。
小さい時の・・・」



噴水の高さが低くなり、夕日に反射して、小さな虹がかかる。




「あっ・・・・」



息を飲んで、目の前の綾瀬涼を見つめる。



小さな小さな姿が、綾瀬涼とダブる。



遠い、遠い、かすかな記憶。

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