狼クン達のオリの中【完】
でも。



その男の子は、誰よりも絵が上手だった。


『ゆうの事描いてあげるー』


そう言ってくれた。






「まさか・・・あの絵・・・。
あたしの部屋の天使の絵って・・・」



「当たり♪
やっと思い出した?」



「嘘・・・。
あの時の男の子?」



「そう。
おまえにさ、好きな子いる?って聞かれて。
完璧オレの片思いって言った意味・・・わかった?
オレの事、全く覚えてなかった、ゆうちゃん?」




綾瀬涼は、あたしのおでこを優しく突付く。




「オレはおまえに、ゆうに、ずっと片思いしてきた。
ゆうの望む男になりたくて。
ずっと頑張ってきた。
あ・・・虹が消える。
話は後」




綾瀬涼があたしを抱き寄せ、目を瞑る。



「いつでもどうぞ?」

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