狼クン達のオリの中【完】
「別れよ?」






あたしを抱きしめながら、薫が呟く。





「ねぇ。
ボク達、別れよう?」




「え?」




「お姉ちゃんのことなんて、ゲームだし?
好きじゃないし?」



「は?」




「ボクの初恋の女の子なんて、嘘だし?
ずっと探してなんていないし?」




薫の腕に力がこもる。




「たださ、涼兄のものが欲しかっただけ。
ただそれだけ」



「薫?」
< 380 / 491 >

この作品をシェア

pagetop