狼クン達のオリの中【完】
薫の腕の力が、一瞬弱まる。




「何言ってるの?」



その隙に、薫の腕からスルリと抜け出す。








「薫・・・・・・・?」






薫の頬には透明の粒が、いくつもいくつも流れ落ち。





「涼兄が本気になったところ・・・初めてみた。
初めて涼兄が、本気でボクに向かってきてくれて。
本気でボクのものを取り上げようとしてくれて。
すごく嬉しかったんだ。
認められた気がして。
弟としても。
綾瀬薫としても」
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