狼クン達のオリの中【完】
「薫・・」




「だから、もう一度お姉ちゃんに言う。
別れよ?
お姉ちゃんのことも本気じゃないし?」




悲しく潤んだ瞳のまま、無理に明るい笑顔を作る。





「だって、こんなボクに、恋する資格なんて・・・。
ないでしょ?」




小首をかしげ、儚く笑う。




「そんなことない・・・」




あたしの言葉に、薫がかぶせる。




「涼兄・・・ずっとお姉ちゃんのこと好きだったし、頑張りなよ?
いじめなんかに、負けるなよ?
でも、学園のアイドルを手に入れるんだから、それくらいの覚悟はしてもらわないとね?」




涙でぐちゃぐちゃになった顔で、フフン・・・と笑う。


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