狼クン達のオリの中【完】
誕生日のプレゼント
2人だけで学校に戻り、制服に着替えた後。
綾瀬涼はあたしの手を握ったまま、家までの道を急いで歩く。
繋がれた。
その手は、大きくて。
その指は、細くて長くて。
そして、熱くて。
目の前。
追いかける背中は、大きくて。
その肩幅は広くて。
そして、優しい。
無言のままあたしを引っ張るその指先から、熱い情熱がほとばしり。
沈黙を続ける後ろ姿が、綾瀬涼の強い決意を感じさせる。