狼クン達のオリの中【完】

小悪魔・薫の言葉を気にして。


あたしは、急いで食事の用意をした。


でも、綾瀬涼の好きな食べ物なんて、わからない。


とりあえず、適当にお皿に盛ってしまえっ！！


飲み物は、なんとなくイメージでコーヒーを選ぶ。



なんであたしが、こんなことまでしなくちゃいけないの？と心の中でぼやきつつ、綾瀬涼の部屋をノックする。



「はい」


機嫌の悪そうな声がして、綾瀬涼がドアを開ける。



そして、あたしの顔を見たとたん、浴びせられる冷たい声と態度。



腕を組んで、半開きの目であたしを見下ろす。



「遅い。
その上、汚い。
もっと綺麗に盛り付けをしてこい。
こんなんじゃ、食欲もなくなる。
パンは、フランスパンじゃなくて、クロワッサン。
何でオレの好みがわからないんだ？
あ―…。
オレ朝、コーヒーは飲まない。
フレッシュジュースを持ってこい。
それから、フルーツはどうした？
何で忘れた？」