泣かないで。
「実柚? 学校でなんかあった?」
お母さんがあたしの方に皿を置いた。
ついでに顔を覗き込む。
ば・・・ばれてないかな?
ばれてないよね。
「どうしたの? 急に」
あたしは、嘘をつく。
あはは・・・とゆっくり笑う。
お父さんも来ないなか、あたしは一人で食べ始めた。
まだ全部食べ終えない途中に、あたしは
「ごちそうさま・・・」
あたしは席を立ち上がった。
「あら、もういいの」
さっさと行こうとするあたしを引き止めるように声をかけた。
「うん、いい」
あたしはただそれだけ言って部屋を出た。
「実柚~、体は大丈夫? 変わりない?」
ドアの向こう側で声がした。
「大丈夫だってば」
あたしは声を押し切っていった。
もう、もう
・・・・
もう、どうにでもなればいい。