泣かないで。
明日から、あたしは本格的に『いじめ』られることなった。
あたしは、泣かなかった。
歯を食いしばって、押し付けられている床を見た。
瞳の中に涙を浮かべているのが自分でも分かる。
朝が来なければいいのに。
来なければ、今日もない。
優月さんが言ってくれた。
あたしのこと、好きだって。
でも、あたしは信じない。
信じない。
絶対に信じない。
嘘かもしれない。
本当じゃないと思う。
だって、こんなあたしを好きだなんて言うはずがない。
あたしは、行きたくない教室に向かった。
靴箱に上履きがあるか確かめる。
しっかり書かれていた。
ー蒼井 実柚。
いつぶりだろう。
なにもされていなく、普通に履けるのは。
あたしは、ゆっくり歩き始めた。
ガラッ...
「っっ...!!!」
クシャッ・・・・
微妙な音がした。
生卵だった。
「何・・・・、コレ」
あたしは、だらだらと流れてくる液体を触れてみた。
「やっ何コレ」
慌ててハンカチを取り出した。
「邪魔だよ!」
ドンッ...!!
「きゃあ!?」
あたしは後ろから思い切り押し飛ばされた。
・・・やめて!!
やめて!!
誰か。助けて!
お願いーーー・・・・!!