泣かないで。
あたしは、グシャグシャになった髪と汚れた制服。
惨めだった。
悲しかった。
痛かった。
もう、消えてしまいたい。
「消えろ!」
「消えちゃえ!」
何回も聞いた。
何度も聞かされた。
もう、聞きたくない。
「あんたなんて、死ねばいいのに」
誰かが言った。
冷たい水がまき散らされる。
頬に水が流れ落ちる。
冷たい。
冷たい。
「もう、学校来ないで」
「同じ空気なんて吸いたくない」
「汚れる」
何回言われただろう。
そのとき、優月さんと目があった。
ぱっと目をそらす。
・・・やっぱりね。
嘘だったんだもん。
あたしなんて、どうでもいいんでしょう?
ただ見てみぬフリをしているだけなんでしょう?
助けてなんかくれない。
知らないの?
見てみぬフリをするのも、立派な『いじめ』なんだってこと。
あたしは、もう誰も信じない。
遠い目であたしを見ている優月さん・・・。
君に出会わなければ、
こんな想いなんてしなかったのに。