泣かないで。
優月side


「お・・・おはよう」


私は、いじめグループの主犯の陽子に会った。


「はよ!今日はどうやっていじめようか!?」

クスクスと笑いながら話してくる。

でも、全然笑えない。

「そろそろ優月もやりなよ」

「気持ちいいよ~」

陽子たちが口を揃えて言った。

私は、気が乗らなかった。

馬鹿馬鹿しい。

バカみたい。

何やってるんだろう。

この人たちは・・・。


でも、

でも、それを見ているだけの私も

ばかみたいって思う。


私が、
「やめなよ」って一言言えばいい。

私が言えば何かが変わる。

変わるかもしれないのに。


言えない。

言わない。

私は・・・・・。


いじめられるのが、
怖いんだ。

逃げてるんだ。

全てから。

現実から。

怖いから。


「助けて」
って言ってる。

実柚さんが。

私と目があった。

「っ・・・」

ぱっとそらしてしまった。

あぁ、もう

裏切ったのと同じだ。

ごめんなさい。




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