泣かないで。
実柚の学園ライフ
実柚side
「・・・っ」
あたしは顔を枕に押し付けて声を押し殺して、泣いた。
ばか。
バカ。
泣くな。
泣いたら、あたしが負けたことになる。
そんなこと絶対にしたくない。
悪いことしてるやつらに負けたくない。
悔しいよ。
あたし。
「なん・・・で、あたしなんだろぅ・・・・」
あんな何人もいるクラスの中で、一人。
なんであたしなんだろう。
あたしじゃなくちゃだめなんだろう。
「実柚~」
お母さんが呼ぶ声がした。
7時・・・。
時計が7を指していた。
「もう、こんな時間・・・」
あたしは赤く腫れた目をこすった。
多分、夕食の時間かな・・・。
あたしは、重い体をゆっくり起こした。
髪型を整えて立ち上がったあたしは、顔を洗面台で洗った。
そのままリビングに方に歩いていった。