♂ vs ♀ ~男女寮戦争~
「…離しなさいよ」

男の前で取り乱すなんてありえない。

声を振りしぼって、寮長をにらみつける。



「気が強いやつ…」

寮長はあたしの首筋に指をはわせる。

「……っ」

寮長の指先は、驚くほど冷たい。



「いい加減、素直に謝ったら?怖い目にあいたいの?」

息がかかりそうなくらい顔を近づけてくる寮長。



「ふざけんじゃないよ!」

大声ですごもうとした瞬間、
茶髪の男があたしのジャージに手をかけた。
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